━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     東京長高金鵄会メールマガジン2017/10月号   東京長高金鵄会は関東在住の長野高校出身者による交流の場です。同窓生   の交流・親睦のため定期的に講演会を企画し、メルマガを配信しています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】 東京長高金鵄会 2017年「春の講演会」開催の御報告 【2】 春の講演会「日本の損害保険事業の展開と経営戦略」 柄澤 康喜 高校22回生 【3】 荒川 祐二 氏の講演を聞いて  亀割 卓  高校36回生  【4】 東京長高金鵄会 2017年「総会・講演会」開催の御案内 【5】 編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】 東京長高金鵄会 2017年「春の講演会」開催の御報告 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 下記のとおり開催されました。 記 日 時:2017年5月26日(金)18時〜    (受付開始:17時30分より) 会 場:コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル  (中央区銀座6-14-10 Tel:03-3546-0111   HP: http://www.tobuhotel.co.jp/ginza/) 参加者数 112人 講演会: 2階 桜Bの間 【話題提供】 18時〜18時30分 「音楽著作権、今昔」 <演者> 荒川 祐二 氏 (36回生) 株式会社NexTone 代表取締役COO 【講  演】 18時30分〜19時30分 「日本の損害保険事業の展開と経営戦略」 <演者> 柄澤 康喜 氏(21回生) MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社 取締役社長 グループCEO 懇親会: 2階 桜Aの間 19時30分〜21時 会 費: 7,000円(含む懇親会費、事務費) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】春の講演会 「日本の損害保険事業の展開と経営戦略」柄澤 康喜 高校22回生         MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社          グループCEO          東京長高金鵄会会長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  損害保険は、中世ヨーロッパにおける「冒険貸借」に起源を持ち、ロンドンの ロイズで海上保険に進化し、その後火災保険や自動車保険などに発展し、今では 「第三分野」と呼ばれる「がん保険」などにも広がり、私たちの生活を支えてい ます。  損害保険業界は1990年代以降、保険業法改正、日米保険協議、金融ビッグバン、 業界再編と激動の時代を走り抜けてきました。2000年以降には、グローバル競争 の中で海外のプレイヤーと伍していくためにさらに再編が進み、今では「MS&AD」、 「東京海上」および「SOMPO」の3メガ損保グループが国内市場の9割以上を占 める状況となっています。そのうち東京海上HDの中核会社である東京海上日動火 災保険の北澤社長も長野高校のOBであり、SOMPOの中核会社の損保ジャパン 日本興亜損保の西澤社長もご両親は長野出身のようで、損害保険業界では長野県 出身者が大きな役割を果たしています。  世界のリスクは常に変化しています。ICT技術の進展、ESG(環境、社会、ガバ ナンス)への対応、サイバーリスク、そして増大する自然災害などが挙げられま すが、世界の経済活動や私たちの日常生活を脅かすリスクは年々多様化・巨大化 しています。そのような状況における損害保険業界の使命は、リスクを的確に捉 え、企業や個人の成長や目標の達成をサポートし、世界経済の発展を支えていく ことです。  もし大航海時代に冒険貸借の仕組みが開発されていなければ、当時の経済・文 化の発展は成し得ず、いま私たちが暮らしている世界すら存在していなかったか もしれません。我々にとってお馴染みの「日新鐘」は「旧習に泥(なず)まず、 旧位置に満足せず、日に其の知を広め、其の徳を磨き、進み進みて止まざるよう」 という願いを込めて鳴らされる鐘です。 日本の損害保険事業は、この日新鐘の『こころ』で世界経済・文化の発展に貢 献していくよう努めてまいりたいと思います。                         ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 荒川 祐二 氏の講演を聞いて  亀割 卓   高校36回生   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「人生に必要な知恵はすべて長野高校の中庭で学んだ」  講演の冒頭、スクリーンにロバート・フルガムのベストセラー「人生に必要な 知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」の表紙に続いて、そう映し出されたのには 嬉しくなりました。あそこが我々の原点なんだ と。  で、この最初のジャブにうっかりガードを下げてしまったんです。次のパンチ が飛んでくるとも知らず…。  今回の講演が同期の荒川君に決まった時、面白いプレゼンテーションをしてく れると確信していました。ただ、正直言ってノックアウトされるとは思っていな かった。急所に当ったのです。特に2発目と3発目が。  講演前のセッティング、音響テストでオペラが流れていました。なるほど話は この辺りから始まるのかな と思っていたら、いきなり冒頭の通り。 正直面食ら いましたが、にやりとさせる展開。さすがです。  彼の吹奏楽班での活動紹介の後、いきなり鳴り響いた『トゥキオ♪〜』のフレ ーズ。YMОの名曲「テクノポリス」はあの時代を象徴する曲。自分もあの衝撃 は忘れません。テクノロジーが音楽に直接作用して、今までにない何かが始まろ うとしている。そんな高揚感がありました。なるほど、彼の原点にあの体験があ るのかと納得。  ちなみに、演壇から降りた彼は「準備の時、亀割がいたからYMОじゃなくて オペラで音響テストしたんだよ」とにやり。  2発目の右ストレート 顔面に当ってるよ。  その後、彼がCООを務める「NexTone」の紹介から話は大きく跳躍し てグーテンベルグの時代へ、ヘンリ8世、アン女王へと著作権の発生と変遷を追 い、ヴェルディのオペラ「リゴレット」のアリアが流れ、原作(原案)者ーゴー の尽力によるベルヌ条約の成立へ。そして日本では1931年の「プラーゲ旋風」に 対抗するため、音楽著作権の独占管理体制へと、分かり易く流れるような解説。  驚かされたのは、今に繋がる枠組みは思った以上に古い起源を持っていて、し かもさほど変化していない事でした。特に国内では競争が排除されたが故に硬直 化した管理が継続。  その一方で、蓄音機、ラジオ放送、ウォークマン、CD、そしてインターネッ トによる音楽配信へと、新たな技術が開発される度に音楽の聴き方は変化し続け、 その歪みを正すべきだと現状に異議を唱えたのは、坂本龍一さん。そう、高校時 代の我々に衝撃を与えたYMОの坂本龍一さんです。ここへ至って因果の環がつ ながった感があります。  最後に片鱗が紹介されたフィンガープリントテクノロジー。これは凄まじかっ た。世界中の、どこの放送局で、いつ、どの曲が何秒間オンエアされたかをリア ルタイムに捕捉でき、そのことによって権利者への適正な使用料分配が可能にな るとのこと。そこには最新のテクノロジーによる既存の枠組みを超えた大きなう ねりがありました。これを束ねたら、とてつもない価値を生み出すことが出来る との構想。  刺激的でした。興奮しました。  ネットワークの世界がそんな事になっているなんて知らないのだから防ぎよう がありません。  3発目に強烈な左アッパー。綺麗にヒット、宙に浮きました。  長野高校のなつかしい木造校舎の中庭から、中世のドイツまでジャンプ、時の 流れを下って最先端の世界、ネットワークと最新テクノロジーの海まで一気に流 れ下るラフティングのような刺激的な講演。   素晴らしかったです。ノックアウトされました。  最後に、家に帰ったあと、パンチドランカー状態の頭で講演の内容を反芻して いたら、冒頭の「長野高校の中庭」から、何故か突然「蝶」を連想しました。    そう、庭には「蝶」が飛んでいるものじゃないですか。 「ブラジルの一匹の蝶のはばたきは、テキサスで竜巻を起こす」…(バタフライ 効果) 「バタフライ効果」は、微小な変動が連鎖を通じて全体を不確実に変化させる という力学上の概念。しかし、力学の法則が及ばない人の心の中にも蝶のはばた きはあるのかもしれない。あの頃、長野高校の中庭で彼の心に届いた色々な音楽 とその影響は、一個人の体験で、社会の変化を決定づけるにはあまりに弱く、ま るで蝶のはばたき程度の微小な変動だったのかもしれない。しかしその微小な変 動は、今や予測もつかなかった形で、音楽著作権の世界に劇的な変化をもたらそ うとしている…  「長野高校の中庭の蝶のはばたきは、いま、音楽著作権の世界に竜巻を起こす」 …(荒川効果)   拙いながら、素敵な講演へのお礼です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 東京長高金鵄会 2017年「総会・講演会」開催の御案内 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日 時 2017年12月2日(土)14時〜 会 場:コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】 編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  本会には「東京長高会総会」と揮毫の横断幕があり総会で掲げていました。会 の名称変更に伴い新たに作成することとし現在準備中です。12月の総会・講演 会にはお披露目できると思いますのでお楽しみに。総会・講演会は12月2日午 後2時よりコートヤード・マリオット銀座東武ホテルで開催です。                     近藤 英一 東京長高金鵄会幹事長 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  □ 発行人 柄澤 康喜 東京長高金鵄会会長  □ 編集人 近藤 英一 東京長高金鵄会幹事長  □ お問合せ 東京長高金鵄会連絡係 E-mail: info@tokyo-choukou.com  □ 東京長高金鵄会HP : http://www.tokyo-choukou.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━