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             東京長高金鵄会メールマガジン2016/2月号

  東京長高金鵄会は関東在住の長野高校出身者による交流の場です。同窓生
  の交流・親睦のため定期的に講演会を企画し、メルマガを配信しています。
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【1】新会長就任の挨拶  柄澤康喜 高校21回
【2】2015年東京長高金鵄会「総会・講演会・懇親会」開催の報告
【3】中島 修平 氏 (高校21回)の講演を聞いて
                     高橋 むつき 高校21回
【4】石坂 弘紀 氏(高校44回)の講演を聞いて  
                                          北島 剛一 高校44回
【5】2016年の予定

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【1】新会長就任の挨拶     柄澤康喜 高校21回
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 東京長高金鵄会の皆様

 このたび、中村前会長の後任として、東京長高金鵄会の会長を務めさせて頂く
こととなりました、21回生の柄澤康喜です。
 これまで永きにわたり本会の発展に多大な功績を残され、ご尽力を続けてこら
れた中村会長をはじめとする今までの幹事の皆さまに、あらためて敬意を表しま
すとともに、名誉ある本会の発展に微力ながら努力してまいるつもりですので、
何卒よろしくお願いします。

 私は1950年に南県町に生まれ、後町小学校、西部中学校と進みました。県庁や
議事堂に近く、子供の頃は遊び場にしておりました。

 その後、1966年に長野高校に入学しました。
 大変自由な校風で、勉学(当時は学校の授業だけで大学に入学できました)、
生徒会、クラブ活動、学園祭、野球応援、交友、恋愛など楽しい充実した時代を
過ごさせて頂いた事に今更ながら感謝しております。
 大学時代は学生運動が激しく騒然とした時代でしたので、長野高校での出来事
がより楽しい思い出として私の心に今も強く残っております。

 本会には前中村会長からお誘い頂いて、昨年の12月に初参加いたしました。
これも一つの縁だったと思いますが、本会が長野高校という「縁」「絆」がより
活きる場になるように幹事の皆さまと協力して務めて行きたいと考えております
ので、会員の皆さまにおかれましては、引き続きご支援ならびにご協力をお願い
する次第です。
 中村前会長が副会長に残り、引き続きサポート頂けることになりましたことも
心強い限りです。
 
 皆さま、どうぞよろしくお願いします。

                  柄澤 康喜  
                                 東京長高金鵄会 会長 高校21回 
                                 三井住友海上火災保険株式会社 取締役社長


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【2】2015年東京長高金鵄会「総会・講演会・懇親会」開催の報告
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下記のとおり開催されました

                                記

日 時:2015年12月5日(土)14時~ (受付開始:13時30分より)

会 場:コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル 
        中央区銀座6-14-10 Tel:03-3546-0111 
        HP: http://www.tobuhotel.co.jp/ginza/

参加者数 90人

■講演会: 2階 芙蓉の間

【講演1】14時~15時

「ターンアラウンドマネージャー
                          (事業再生請負人)~ライブドアの事例を中心に」

<演者> 石坂 弘紀 氏 (44回生)

デロイト トーマツ アンカー マネジメント株式会社 
代表取締役マネージングディレクター
 
1998年東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。2003年コロン
ビア大学ロースクール卒業(LL.M.)、ニューヨーク州弁護士。政府機関、政府系
ファンド、コンサルティングファーム、事業会社において、16年にわたる豊富な
政策立案、事業経営・再生の実務経験を有する。

【講演2】15時~16時

「人生の終わり方を考える~終末期医療・介護の場から」

<演者> 中島 修平 氏 (21回生)
 
医療法人社団中島医院専務理事・病院付き牧師
ニューホープ国際基督教会清瀬けやき通りチャペル牧師

米国・アズサパシフィック大学神学部卒業B.A., M.A., 米国・フラー神学大学院
神学部牧師神学修士M.Div., 牧師神学博士D.Min.取得。同大学院Ph.D.課程修了。
癌などで治癒不可能となって死に逝く人々と、その家族・遺族の心のケアの専門
家。牧師の立場から過去30年余ホスピスによるターミナルケアの臨床と研究に携
わる、わが国ホスピスの草分けの一人。医師である妻と在宅ホスピス緩和医療に
て1,000余人の癌患者を看取ってきた。国立病院等で倫理・治験審査委員として
医の倫理を探求。
主な著書:『在宅ホスピス-死・人生の完成と旅立ちのために』『ホスピスの窓
から-産みの痛みの神学』『希望の医療ホスピス』など。訳書:『スピリチュア
リティ 成長への道』  
中島医院HP http://www.hospice-nakajima.com

■総会・懇親会: 2階 桜Aの間 16時~18時
  新会長挨拶
      欠席のため、中村前会長が挨拶文を代読
  2015年度 活動、会計報告
  役員選任
  校歌斉唱
  来賓挨拶
   大井 基成  長野高等学校 学校長
   市川 浩一郎 長野高等学校金鵄会 副会長(会長代理)
    来賓紹介
   桃林 聖一  長野高等学校金鵄会 事務局長
  乾杯
  信濃の国斉唱
  閉会の辞

会 費: 10,000円(含む懇親会費、事務費)

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【3】 中島 修平 氏 (高校21回)の講演を聞いて
                       高橋 むつき 高校21回                             
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 高校時代同級生の中島修平先生は素敵な紳士ですが、高校時代は、芸術家風の
美男子で、英語も得意で歌も上手でしたので、きっと、美術、音楽などの芸術方
面に進むのかと思っていました。

 卒業して、しばらく経ってから、大変な猛勉強と努力をして、日本では数少な
い神学博士号を米国で取られたことを知りました。英語、ヘブライ語、ラテン語、
ギリシャ語、ドイツ語などを習得しないと、神学博士号を取得することなど不可
能なことです。神学博士号をとるための御苦労を聞いて、感嘆したことがありま
す。

 その後、日本に帰国して、内科医の奥様と一緒に、ホスピス専門の医療法人社
団中島医院を設立し、以来30余年、日本の草分的存在として、終末期医療の臨
床、研究、介護と、本人、家族の心のケアの専門家として活躍してきております。

 誰にとっても、死は未知数でありながら、必ず、たどり着く場所であり、その
恐れと、家族や親しい友人らと別れなければならない精神的苦痛を、どのように
和らげるかは重要な問題です。

 先生は、これらをTotal Pain (全人的総合的痛み)と、その一部としての
Spiritual Pain(スピリチュアルペイン)(1 死の恐れ、2 罪責感、
3 過去の人生の意味、4 終末論的求め、5 死生観、6 救済観、
7 葬儀・墓・関連等)の苦痛、痛み、苦悩、苦難と説明されました。

 中島御夫妻は、医療面と、神学博士の御立場から、患者さんに対し、肉体的痛
みを緩和し、かつ、死の恐怖心を解き放す活動をしており、死に際して、心や魂
の苦しみに救いを与えることができたかどうかの調査と評価をしておられます。

 1000人以上の、主に癌患者さんの死を看取り、患者さんと家族の方々の9
0%以上の人達から、中島先生に看取っていただいて「幸福」であったとの回答
を得ております。時には、結婚式に出席できない患者さんのベッドの脇で、娘の
結婚式を挙げたり、また、夫である患者さんと一緒に、奥さんも洗礼を受けたり
して、心おきなく亡くなるための準備をすることもあるそうです。

 そして、講演の中で印象に残ったのは、死は終わりではなく、人生の「完成」
であるという言葉です。いずれ死に向かう生物である私達は、完成に向かってお
り、その完成を実りあるものにするためには、各々の人生の歩み方を考え、選択
する必要があります。
 
「終わりではなく」「完成」であるという言葉は、非常に意味が深いと思います。

 病院から見放され、あるいは、自らの意思で在宅治療を選択した場合に、中島
先生のような方がそばにいてくれるならば、質の高い医療(苦痛からの緩和、介
護を含めて)と、心の苦痛を取り除くお手伝いをしてくれるという意味で、本当
に安心して死に至ることができるのかなと思います。

 身近にそのような病医院は少ないだけに、中島先生の活動が、より多くの医療
関係者らの刺激となり、そのような終末期医療の施設が多くなることを、期待し
たいと思っております。
 
 先生の経歴は、下記のとおりです。

  医療法人社団中島医院専務理事・病院付き牧師
  ニューホープ国際基督教会清瀬けやき通りチャペル牧師

  米国・アズサパシフィック大学神学部卒業B.A.,M.A.,
  米国・フラー神学大学院神学部神学修士M.Div.,牧師神学博士D.Min.取得。
  同大学院Ph.D.課程修了。

  1000余人のがん患者を看取ってきた立場から、国立病院等で倫理・治験
  審査委員として医の倫理を探求。
  主な著書『在宅ホスピス-死・人生の完成と旅立ちのために』
  『ホスピスの窓から-産みの痛みの神学』『希望の医療ホスピス』など。
  訳書:『スピリチュアリティ成長への道』
  中島医院HP http://www.hospice-nakajima.com/

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【4】石坂 弘紀 氏(高校44回)の講演を聞いて  
                                              北島 剛一 高校44回                               
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 石坂さんは在校中は吹奏楽班で活躍。充実した班活動を送られました。通産省
入省で社会人としてのキャリアをスタートさせアメリカ合衆国における学歴(コ
ロンビア大学ロースクール卒業)・実務の経験も有しているとのこと。

 今回の講演のテーマでもある事業再生の分野で今も勿論のこと現役真っ只中、
多様かつダイナミックに進展するグローバル時代における先端の経歴を走り続け
ていることがわかりました。

 今回はライブドアの一連の整理・再生の過程で外部から社長として就任された
石坂さんが既存の優良事業の売却や譲渡から持株会社の最終的な清算まで実際に
代表取締役として取り組んだ事例を講演いただけました。

 さて、ライブドアという企業が主要な新聞、経済誌の記事にも多く取り上げら
れるまでに成長を実現したのは事実、少し調べると思い起こされます。その後の
栄枯盛衰や再生の道を含めてライブドアの何らかのニュースは長野高校同窓生の
方々の記憶にも残っていたのではないでしょうか。

 例えば、証券取引法違反発覚後のフジテレビのライブドアへの損害
賠償請求訴訟は2009年に和解したとの事ですが、ライブドアがニッポン放送
株取得に2005年に動いたのは、ニッポン放送が主要株主であるフジテレビへ
の間接的な経営関与が意図されていたと。     

 フジテレビ(系列地方局)の番組と言えばこれはもう慣れ親しんだものがあり
ひらけポンキッキ、夕焼けニャンニャン(小学生時代)、オレたちひょうきん族
(中学生時代)、ウゴウゴルーガ(大学生時代)などは日々よく見たものです。
(これらの番組は高校卒業後の上京以前のNBS長野放送受信によるものが大半
ですが)。

 また現在の長野高校新校舎の建設・完成を担った北野建設のオーナーの北野氏
と言えば長野では御馴染み、NBSの社長にも就任されていた。視聴者として信
州出身者として思いました、主要株主に異動があり、身近でもあるフジテレビ
(或いはNBS長野放送)の未来の形はどんな風になるだろうか。
 
 景気循環の超長期サイクルであるコンドラチェフの波は約50年の周期を持ち
ますがその周期の要因は技術革新にあると言われます。そして今現在のサイクル
(波)はインターネット、IT、モバイル等分野のイノベーションに源泉がある
という説も目立つ。この筋道に立脚すれば2005年の当時に起きている変化は
時代の流れに反する訳ではない。産業構造・経営環境も時と共に変わり得ること
は当時も一つの一般的認識であると言えた。戦後の復興、高度経済成長の変革期
を(或いは過去のコンドラチェフサイクルの時代を)生きた同窓生諸先輩がたな
ら直に体験もされてきていることでしょう。
  
 つまり、フジテレビとライブドアの攻防・交渉のニュースを前にTV放送をめ
ぐる環境はいかなる変遷を見るかという観点が生じた一方で、我々の利用者・消
費者としての立場にも影響の及びうる事だったかもしれません。そして、その背
後には「ネット(通信)と放送の融合」というビジョナリーなテーマがあったこ
とも講演参加を経てその認識を新たにした次第でした。

 ところで、類似の事例として2007年のTBS(東京放送)と楽天の事例を
記憶されている同窓生のかたもおられるのではないでしょうか。偶然にも保管し
続けた新聞記事によるとTBSの株主総会を控え、TBSに19%程出資を済ま
せ指定経営者の社外取締役への選任を求める株主提案を行う楽天に対し、TBS
は出席議決権による買収防衛策の承認を求めました。株主総会では77%の株主
が買収防衛策に賛成しましたが、その後楽天は21%程度までTBS株を買い増
す方針を主張、とあります。

 当時の経済界の動向では株主総会におけるプロキシーファイト(委任状争奪戦)
が本来の裏事情的な位置づけから表沙汰と化し、TV放送のあるトレンディドラ
マの演出においても中心的シーンを飾るものになっておりました(世相の反映)。

 TBSと楽天の事例でもプロキシーファイトが繰り広げられましたが、実はあ
る議決権行使助言会社が上記の楽天による社外取締役株主提案に関し機関投資家
に対して賛成助言を行っていた、という事もあったそうです。これは、格付会社
がソブリン債券を優良に格付けする結果お墨付きを与えられるのと似ているが、
当時の楽天の主張(戦略的方針)の客観的な正しさが証明される側面にもなりま
す。

 個々のこうした動きを取れば、「ネット(通信)と放送の融合」を背景とした
一種の産業再編(劇)はフジテレビ・ライブドアの事例も含めて戦略性に乏しか
ったわけでなく、また必ずしも的外れ的で無謀な企図だったのでもないとは思わ
されました。ただ結果的には、最高裁判決で、同時期に国内別業種一社の米投資
ファンドに対する買収防衛策を正当化する判決が出ており、TBSに有利な追い
風になったことでしょう。実際にもライブドアや楽天による事実上の経営支配や
連結化には至らなかった経緯が確認されます。

 石坂さんの講演の中でとても印象的だったのは、まず米国滞在時の人的ネット
ワークのおかげで米国SEC(証券取引委員会)の元長官から入手できた資料を
ライブドアの再生・整理にあたり裁判所に提出することもあったと。日常的感覚
をもってすれば異なる次元の実務と言っても言い過ぎではない。ハッとさせられ
た瞬間でありました。

 また、ライブドアの事業の再生にあたってはGood(事業)とBad(事業)
への分離を行ったことの肝要さも説明されました。どの事業を優先しいかに再生
を進めるかの判断に注力したことと思います。

 そして、一見話が飛びますが、15年以上前に出版されて読んだ本に当時のデ
フレを主題にした新書がありました。一般的にデフレは良い経済現象で問題ない
とは勿論言えません。しかしその書籍では当時の経済状態の整理と必要な政策の
説明が、良いデフレ・悪いデフレという表現・構成で簡潔かつわかり易いイメー
ジに映し出されていた事が連想されました。今回の講演のGood or Bad
も事業再生実務の複雑そうな側面への理解を促し、注目を喚起していたと思いま
す。 
  
 特にGood事業の成長についてはLINE社の成功が講演では触れられまし
た。ライブドアのネット事業が韓国NHN社の日本法人NHN Japanに売
却され、日本国内での社名変更(LINE社)を経て確かな成長を果たしている
ことは多くの人にとっても市場においても周知の事実でしょう。一般に事業の成
長鈍化や経営不振の場合では民事再生法申請等以前の段階ならば通常は事業の選
択と集中、再構築が図られる。そこでスピンアウト(スピンオフ)した新企業や
売却事業が新ブランドとして再生、LINE社如くビッグネーム化や社会現象化
にまで成長を果たすケースは稀ではないのだろうか。ライブドアの事業再生がい
かに有望な成長の種を含むものだったかが理解されました。

 LINE社は現在新規の株式上場を模索している報道もある。もし仮に実現に
至るならば売上高の拡大や事業の拡張に止まらず株式時価総額等が同業他社比較
の上でまた話題を呼び込むことに。企業価値の評価・向上の新たなフェーズが待
っているということでしょう。

 とても有益だった、わかり易かったという同窓生のかたがたの確かな感想と感
謝の声が伴いながら石坂さんの担当パートの幕は閉じられました。

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【5】2016年の予定                               
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2016年第1回学年幹事会 2016年3月28日(月)

春の講演会       2016年5月20日(金)

総会 講演会        日程未定

会場は、いずれも コートヤード・マリオット 銀座東武ホテル になります

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 □ 発行人 東京長高金鵄会会長
 □ 編集人 東京長高金鵄会幹事長
 □ お問合せ 東京長高金鵄会連絡係 E-mail: info@tokyo-choukou.com
 □ 配信停止・登録変更は、東京長高金鵄会連絡係までご連絡下さい
 □ 東京長高金鵄会HP : http://www.tokyo-choukou.com/
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